フィルタ(ポール、レゾナンス)について
前回の「VCF(ボルテージ・コントロールド・フィルタ)」で、フィルタでは、ある周波数(カットオフ周波数といいます)付近より高音域の音量を小さくしたり、逆にその付近より低音域の音量を小さくしたりということでした。ロー・パス・フィルタ(以下LPF)、ハイ・パス・フィルタ等、幾つか種類があるようですけど、一つの種類の中にも色々とあったりします。効きのいいものとか、なだらかに効くものとかがあります。「キレのいいフィルタ」とか言ったりします。
例えば、図を見ると、LPFでは、部分的に音量を小さくしますが、消音というほどではないですよね^^;。
- フィルタによるノコギリ波の倍音音量の変化 -
|
- ノコギリ波の440Hz「ラ」の音をフィルタに通したものです。
- ロー・パス・フィルタのカットオフ周波数(その周波数付近から上の音域をフィルタリング)を
- 順に14000Hz、3520Hz、880Hz、220Hzとしています。
- ハイ・パス・フィルタのカットオフ周波数(その周波数付近から下の音域をフィルタリング)を
- 順に220Hz、880Hz、3520Hz、14000Hzとしています。
- ノコギリ波の倍音の音量が変化しています^^;
|
なだらかな音量の変化ですよね。効きのよい、キレのいいフィルタだと、グラフ上では、見えないほど、かなり小さな音にしてくれたりします。効きの割合を「Pole(ポール)」という単位で表したりするそうです(1オクターブで6dBの変化だと、1Poleというのかな?。12dBなら2Poleとか…^^;)。こんな感じです。
- ホワイト・ノイズをポールの異なるロー・パス・フィルタに通した時の変化 -
|
- ホワイト・ノイズを、フィルタに通さない場合と、1〜5Poleのロー・パス・フィルタに通したものを順に表示しています。
- 次第にキレがよくなっています。
- 図は、おおよそになっています^^;
- なお、2〜5ポールでは、1ポールのロー・パス・フィルタを複数直列つなぎにしています。
- これで、2〜5ポールになるんでしょうか?。ちょっとわかりませんが…^^;;
|
この図では、ホワイト・ノイズを、1から5PoleのLPFに順に通しています。カットオフ周波数は440Hzです。なだらかだった高音部の音量変化が、徐々に急に(キレのよい状態)なっていますね(実験では、1PoleのLPFを幾つか直列つなぎにしています。これで、2〜5Poleになるのかどうか、ちょっとわかりませんが…^^;;)。因みに、このように、Poleの違いでもカットオフ周波数を変えた時のような振る舞いをしますが、通常フィルタは、Poleは固定で、カットオフ周波数を変えて使います。でも、Poleを切り替えられるものもあります^^;
ところで、フィルタには「レゾナンス」という機能も付いてます。レゾナンスは「共鳴」や「共振」という意味ですが、実際、カットオフ周波数付近のごく狭い音域の音量を極端に大きくしたりします。かなりくせのある音になり、シンセサイザでは「ミョー」とか「フニャ」っていった感じの音になります^^;。ホワイト・ノイズを2PoleのLPFに通し、カットオフ周波数440Hzで、レゾナンスを大きくすると、こんな感じの周波数分布になります。
- ホワイト・ノイズをロー・パス・フィルタに通し、レゾナンスを上げた時の変化 -
|
- 2ポール・ロー・パス・フィルタを使い、カットオフ周波数を440Hzにしています。
- レゾナンスを上げると、カットオフ周波数付近の音量が大きくなります。
|
あまりレゾナンスを大きくしすぎると音が割れたり、発振したりします。
Copyright (C) FlawTips All Rights Reserved.
|