波形に変化を与える(フィルタ)
前回「波形に変化を与える(クリップ6)」からフィルタで波形に変化を与えるということでしたけど、単に、フィルタリングするだけだと、減算合成となって、新たな音の発生というのは、無かったりしますね。でも、新たな音として、打ち消しあうような音がフィルタ処理(フィードバック等)により発生している…と言えるのかもしれないですけども…^^;。勿論、フィルタで減算をするだけでも、波形に変化が現れます。音の減る方向で波形が変化するという感じなんでしょうね^^;。例えば、440Hzのパルス波(パルス幅50%)をロー・パス・フィルタに通して、カットオフ周波数を高い方から低い方へ下げて、高音域を減算すると、こんな感じに波形が変化していきます。
- パルス波をロー・パス・フィルタに通し、カットオフ周波数を変化させたときの波形変化 -
|
- 440Hzのパルス波を1ポール・ロー・パス・フィルタに通し、カットオフ周波数を変化させたときの波形の変化です。
- カットオフ周波数を14080、3520、880、440Hzにしたものです。
- カットオフ周波数が低くなると、波形に丸みが出てきて、パルス波特有の四角い形が三角形に近くなっていきます。
- また、高音域の音が減ってくるので、音量が下がり、波形の振幅も小さくなっていきます。
|
パルス波の四角い波形に、丸みが出てきて、三角形に近くなってきますね。また、高音域の音が少なくなるので、音量も減り、振幅も小さくなっていきます。音としては、次第にこもっていく感じですね。
ところで、レゾナンスという機能がフィルタには付いてたりします(参考「フィルタ(ポール、レゾナンス)について」)。レゾナンスとは、「共鳴」「共振」という訳になります。クリップのように、倍音や部分音といったものは、発生しないんですが、レゾナンスの値を大きくするとカットオフ周波数あたりの音だけが極端に大きくなります。こんな感じになります。
- クリップ設定値の違いのよる波形と倍音の周波数分布 -
|
- クリップの上限・下限の2つの設定値について、その絶対値が等しいもの(上)と
等しくないもの(下)の波形と、発生する倍音の周波数分布図です。
- 上では、-5と5でクリップし、奇数倍音列を発生しています。
- 下では、-4と6でクリップし、奇数と偶数の倍音列を発生しています。
- 440Hzのサイン波を振幅-10〜10にして使っています。
|
これは、ホワイト・ノイズをロー・パス・フィルタに通し、レゾナンスを上げたところです。
また、波形も変化します。見た目、細かい振動が入ってくる感じになります。440Hzのパルス波にカットオフ周波数3520Hzでレゾナンスをかけると、こんな感じの波形になります。
- フィルタのレゾナンスを上げた時のパルス波形の変化 -
|
- 440Hzのパルス波をロー・パス・フィルタに通し、レゾナンスを上げた時の波形の変化です。
- カットオフ周波数は、3520Hzにしています。
- パルス波の四角い形から、音の立上がり、立下りの部分で波打っているように変化しています。
|
パルス波の音の立上がり、立下りの部分で、波形が小さく揺れてますよね。さらにレゾナンスを大きくすると、音が発振したりします。波形をみると激しく動いて定まらず、どのような波形になっているのか、よく分からない感じだったりします^^;
という感じで、フィルタでもレゾナンスにより、波形に変化を与える、新たな音を発生させることが出来たりするんですが、フィルタは、クリップのように、波形に変化を与えるという感じではなかったりしますね^^;;;
Copyright (C) FlawTips All Rights Reserved.
|