波形に変化を与える(VSTエフェクト「JCM900」2)
前回「波形に変化を与える(VSTエフェクト「JCM900」)」は、VST(バーチャル・スタジオ・テクノロジ)エフェクトのアンプ・シミュレータ「JCM900」についての波形変化でした。その周波数分布図を見ると、
- ホワイト・ノイズを「JCM900(VST)」に通した時の周波数解析図 -
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- ピンクの線がJCM900の音の解析結果です。水色がホワイト・ノイズのものです。
- 250〜2000Hzで少し音量が小さくなり、4000Hz以上は、次第に音量が小さくなっている感じですよね。
- 「JCM900」は、VST(バーチャル・スタジオ・テクノロジ)エフェクト・プラグインを使っています^^;
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歪ませた後に複雑にイコライジングしているかな?って感じでした(イコライジングじゃないかもですけど^^;)。この処理があるので、入力する音の周波数によって、波形が異なるのかな?…と思ったりします。
前回「波形に変化を与える(VSTエフェクト「JCM900」)」の波形変化の図に
- 異なる周波数のサイン波を入力した時の波形変化の違い(数式「5*sin(x/PI)」とJCM900(VST)) -
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- 一番上の横3つの「Scope2」モジュールが、入力するサイン波(左から440、880、1760Hz)です。
- 上から2列目の横3つが、数式「5*sin(x/PI)」でウェーブシェーピングした時の波形です。
- 一番下の横3つが「JCM900」で処理した時の波形です。
- 数式「5*sin(x/PI)」の場合は、入力信号の周波数が変わっても、
変化具合が同じで、相似形みたいになっていますよね。
- 「JCM900」の場合は、周波数毎に大きく変化していて、相似形のようには見えないですよね。
- 「JCM900」は、VST(バーチャル・スタジオ・テクノロジ)エフェクト・プラグインを使っています^^;
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数式「5*sin(x/PI)」の波形もありましたが、入力信号の周波数を変えても、その波形は変わりませんでした。ですが、この処理後に幾つかのフィルタをつけてみると、その波形はこんな感じになります。
- 数式「5*sin(x/PI)」で異なる周波数のサイン波をウェーブシェーピングをした後、フィルタをかけた時の波形 -
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- 左から440、880、1760Hzのサイン波を変化させた物です。
- 数式「5*sin(x/PI)」でウェーブシェーピングしただけでは波形の変化具合は変わらないのですが、
その後、フィルタリングしているので、周波数毎に波形が異なっています。
- フィルタは3つ程使っていて、バンド・リジェクト・フィルタで特定の周波数域の音を小さくしています。
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左から440、880、1760Hzのサイン波を処理したものですが、波形は、それぞれ違いますね。前回「波形に変化を与える(VSTエフェクト「JCM900」)」で記述した相似形には、なってなかったりします。フィルタで音質を変えているので、こういう感じになるんですね。因みに、フィルタは3つ程使っていて、バンド・リジェクト・フィルタで特定の周波数域の音を小さくしています。その処理の影響がそれぞれの波形に出てきているんですね(フィルタをかけるといっても、音のない音域にかけても波形は変わらなかったりします…^^;)。
しかし、VSTの「JCM900」ですが、CPU負荷が高いみたいで、単に歪ませている処理と、イコライジングの処理だけではない感じもします。確かに複雑にイコライジングしていて、多くの周波数域で微妙な音量の変化が起こっているんですが、これを実現するためには、かなりバンド数のイコライザが必要かな?って思います。コム(comb:櫛「くし」)フィルタという、バンド・リジェクト・フィルタを幾つも並べたようなフィルタ(一定周波数毎に、音量が小さくなります。「くし」のような周波数分布になります)とか、またFFT(高速フーリエ変換)フィルタなんかを使っているのかもしれないですね。
因みに、FFTフィルタは、かなり細かくイコライジング(1024バンドとかで、各バンドが約20Hz幅とか)が出来たりします(参考「FFTフィルタ」)。そして細かくイコライジングをすればするほど、より多くの演算をしなければならないので、CPU負荷も高くなって行きます。
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