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一つの唄に、二つの尺
前回「「尺」の移動」では、勘所「尺」の位置が、調子によって移動する…ということでした。そういうわけで、工工四(楽譜)に書いてあったりする唄の調子名を見て変えて弾けばいいのかぁ〜って認識だったんですけど、一つの唄の中で「尺」の位置を使い分けているものがありました…。歌口からの長さ約15cmの所と約17cmの所を弾き分けているんですよね。工工四には「尺」と書いあるのに音が違うんです。調子によってどちらかに定まると思っていたんですけども…。前回「「尺」の移動」書いたように「ギター等で全音や半音下のフレットからスライドさせ、目的の音を弾いたりしますけど、そういう装飾音的な感じ?で演奏しているのかもしれない…」と言う感じなのかな?ってことで、よく聴いてみたんですけど、スライドさせているような雰囲気はなく、独立した音として、弾いている感じがあるんですよね。場所によっては、約16cmぐらいと思える所もあったり…^^;
その唄は「本調子」なのですが、曲の構成音とその使い方からして、中絃の「四」を主音とした琉球音階「ドミファソシ」であるように感じたんですね。まあ、そうだとして^^;、勘所に音を当てはめてみるとこんな感じになります。
- 中絃の「四」をドとした時の琉球音階の音とファ♯の大まかな位置 -
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- 中絃の開放絃の勘所「四」を「ド」の音にした時の琉球音階「ドミファソシ」の音の三線上の位置を示しています。
- 勘所「尺」は歌口からの長さが約15cmの所になります。「ファ」の音になります。
- 約17cmの所も調子によっては「尺」として使われますが、この図では、音程は「ファ♯」となり、主音をドとした時の琉球音階には含まれない音となります。
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この図からすると琉球音階の構成音の「ファ」は約15cmの位置の「尺」となります。でも所々で、約17cmの所を弾いた時の音…「ファ♯」が混じってたりするんですよね。先ほども書いたように、どちらも工工四には「尺」として書いてあったりするんです^^;
ところで「尺」の前後の音を調べてみると、約17cmの「尺」の次には必ず「工」が来るんです。そして、その「尺」の音符の長さは、短かったりします。約17cmの「尺」は「ファ♯」、「工」の音は「ソ」なので「ファ♯→ソ」という進行なんですよね。琉球音階「ドミファソシ」だと「ファ→ソ」となるはずなんですけど「ファ」を「ファ♯」にして演奏しても前後の響きによっては、違和感無かったりします。そして、何より旋律の表現を強めている感じがします(気のせいかもですが^^;)。
ということで、その唄の二つの「尺」の音は…伝統的にそうなっているのか…奏者がアドリブでそうしたのか…無意識的にそういう音で演奏した方が心地よいと感じていて、そうなったのか…何故なのかは分らないのですけども、工工四に書いてなくても、臨時的に半音上げて演奏することもあったりするんですね^^;
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